【2020年決定版】元高専生が考える 高専の進路徹底比較! 就職?編入?専攻科?

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高校受験で高専を考えているけど、どんな進路がいいのかわからない、、、

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就職?編入?専攻科?どこに行くのが正解なんだろう


実際に高専での進路選択を経験した自分が就職、編入、専攻科のメリット・デメリットをまとめました。

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自分のプロフィール

らっこ
らっこ
地方の高専卒
都内の理系国立に編入
現在3年生
就職・専攻科を選択した友達がいる


高専とは

高等専門学校(こうとうせんもんがっこう)は、後期中等教育段階を包含する5年制(商船に関する学科は5年6か月)の高等教育機関と位置付けられている日本の学校 。一般には高専(こうせん)と略される。 学校教育法を根拠とし「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する」ことを目的とする一条校である。(Wikipediaより引用)

五年制の一貫校で、卒業時には短大と同じ扱いになります。

全国に国公私立合わせて57校あり、全体で約6万人の学生がいます。

高校一年から専門的なスキルを身に着けられる反面、非常に高い留年率になっています。

「高専=ロボコン」というイメージが強いですね。

高専生の進路

高専からの進路は主に三つ「編入」「専攻科」「就職」です。

高専と高校・大学との制度上の関係

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kousen/ 文部科学省より引用

高専5年生(20歳)を卒業し高専卒の学歴(短大卒と同等)を得たタイミングで進路を選択します。

編入は、他大学に3年次から入学するシステムのこと。1、2年の教養科目は高専の単位で振り返ることで学年が下がることなく入学できます。(東大など単位振替の関係上2年次編入の大学もあります)転科しない場合は、3年の専門科目は、高専で既に学習した内容なので同級生より有利にスタートを切ることができます。

専攻科は、各高専に付属する機関で卒業すると大卒の資格が与えられます。基本的には自分の高専の専攻科に行く人が大半ですが、中には別の高専の専攻科を受験する人もいます。推薦基準が甘く、試験を作成するのも普段からお世話になっている高専の先生なので受験難易度としては低めです。また、専攻科から大学院に行く場合、編入よりもレベルの高い大学に進学できるケースが多いです。

就職は、選択する人が一番多いです。なんと高専は就職率が100%、求人に至っては軽く100%を超えます。大卒よりも若く、スキルもあるため、企業からは引く手あまたです。

以下にそれぞれ3つの進路のメリット・デメリットを説明していきます。進路選択は、時代や個人の考え方が深く関わります。一個人の意見としてお聞きください。

就職のメリット

就職率が良い

就職のメリットはこれに尽きます。就職を見据えて高専に入学するという人も珍しくありません。

高専は大学院と比べても求人倍率がものすごく高く、学科にもよりますが40人のクラスに対して例年約400~800社ほどの求人があります。

特に今は、コロナの影響で景気がものすごく落ち込んでいます。例年よりは求人倍率が低いですが、それでも大学と比べれば高いはずです。

日本経済新聞の調べによる高専生の求人倍率はこちら

採用戦線は売り手市場が続いているが、中でも高等専門学校(高専)は求人倍率が20~30倍にも達する激戦区だ。

機械や電気など高専が得意とする「モノづくり」とは遠いイメージがあるが、実は生産・技術系採用の半数以上を高専出身者が占める。

製造業だけじゃない 高専生の就職先ランキング
採用戦線は売り手市場が続いているが、中でも高等専門学校(高専)は求人倍率が20~30倍にも達する激戦区だ。企業はあらゆる手を尽くして高専生に秋波を送る。優れた若き力が集まりゴールデンエイジとも言われる高専生。企業はいかに争奪戦を繰り広げているのか。「高専に任せろ! 2018年就職先ランキング」を読み解く。もはや高専出身...

大学生の求人倍率はこちら

2019年春卒業予定の大学生の求人倍率は1.88倍

19年春の新卒求人倍率、1.88倍 7年連続上昇
リクルートホールディングス傘下のリクルートワークス研究所(東京・中央)が26日発表した2019年春卒業予定の大学生の求人倍率は1.88倍と前年より0.1ポイント上昇した。7年連続の上昇。民間企業の求人総数が81万3500人と、前年から5万8000人増えたのに対して、民間企業への就職を希望する学生は43万2000人で微増...

大学生は自由応募で何十社と受けるのに対し、高専生は推薦という形式で入社試験を受けられるので、就活が有利に進みます。(書類選考、第一次面接などをスルーできる)

調査書は、よほど生活態度が悪く担任に嫌われていない限り良く書いてくれますし、学校の成績表も、自分の学科の40人と競えば良いので、大学生で就職するのに比べはるかにスケールが小さい戦いになります。

大学生は「〇〇大学の〇位」という見方に対し高専生は「高専〇〇科〇位」となります。各高専によってレベルの差はあれど、大学ほど認知されていないため、高専生はひとくくりに評価されることが多いようです。業務内容と学科での学習内容がマッチしているかどうかが重要です。

客観的に見て「今の自分と未来の自分、価値が一番高いのはいつなのか?」という視点で考えるのもありだと思います。

若いうちに就職できる

これは、企業側と自分の双方にメリットがあります。

若いと吸収するスピードが早く、期待値が低い分プレッシャーがなく仕事ができる上に、先輩に可愛がってもらうことができます。逆に大学院から入社すると、年齢が高く、プライドが高く凝り固まった考えの人が多く企業側も扱いづらいのだそうです。(高専就職セミナーで聞いた企業の方の意見)

個人の考え方次第では、仕事をする自信がない人ほど若いうちから社会に出るのがいいのかもしれませんね。

 

就職のデメリット

会社・仕事・社会を知らない

高専生に限った話ではないですが、周りを見ていると適当に企業の名前と給料で選んでいる学生もいるように感じます。

自分が言うまでもないですが、就職は進学に比べ人生に大きく関わります。

高専卒業は20歳と大学生に比べて若く、文系(社会系)の知識もない、閉鎖空間なのであまり社会のことを知りません。

もちろんやりたい仕事があって将来のビジョンがある程度見えているのならいいですが、何も知らないまま若いうちに自分の仕事を決めてしまうことは危険です。

最終学歴が高専卒

高専を5年間で卒業し、就職すると学歴は「高等専門学校卒」となり「短期大学卒」と同じ扱いになります。

これは、世間的には大きなデメリットととして見られがちです。ですが、個人的には高専生就職セミナーで実際に高専から就職した先輩方に話を聞くと、実はそれほどデメリットではないのかなと思いました。理由を以下に示します。(高専生就活セミナーの先輩は高専卒なのでバイアスはかかっています)

デメリットとされる理由は主に3つです。

1.初任給が低い

厚生労働省の調べによると

男女計

大学院修士課程修了  23万8700円

大学卒                       20万6700円

高専・短大卒            18万1400円 

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/18/dl/02.pdf

となっていますが大学生より2年、大学院生より6年早く入社することを考えれば額は変わりません。(大学、大学院は学費が必要ですし)

また、セミナーで話を聞いた企業の方によると、昇給は大学生、大学院生も変わらない。高専生だから特定の役職につけないと言うことはないと何度もおしゃっていました。(高専生を評価してくれる企業のばかりのセミナーなので当然かもしれませんが、、、)

 

2.生涯年収が低い

しかし、生涯年収を見てみると

                                 男性            女性

大学・大学院  2億7000万円  2億1670万円

高専・短大生  2億1450万円  1億7530万円

学歴別の年収・収入格差データ【学歴と収入の相関関係が明白に】
学歴別の年収・収入格差データを算出しました。院卒・大卒・高卒・中卒など、このデータを参照することによって学歴による収入格差を知ることができます。就職や転職、投資などの参考情報として。

となっており、大学卒の方が生涯年収は高いようです。

これは、業種が大きく関係しているのかなと思います。研究者など学歴が絶対条件の職業が少なからず存在します。高専生は技術職が多いためこのような数字になるのだと考えました。

(このデータは短大生を含んでいるので正確ではないですね。高専生だけのデータが有れば載せます。)

たまに「高専で優柔なのは上澄みだけだ」と言っている人をよく見ますが、もっと広い視点で見たら意識が低い人が目立つだけで、潜在能力的には高専生は十分優秀だと思いますよ。

3.転職しづらい

今の時代、3人に1人が転職する時代だと言われています。そして、同時に学歴ではなく実力主義(工業系では特に)の時代になってきてもいます。そのため、高専生はあまり心配することもないのかなと思います。仕事で個人が評価されれば最高ですし、企業のネームバリューも使えます。

もちろん実力に自信がないのなら学歴で身を固めるのもありだと思います。

とは言っても、人からの見方はそう変わるものでは無いと思います。やはり高専卒よりは大卒、大学院卒の方が信用度、結婚率も高いと思います。(データ無しの完全偏見です)

編入のメリット

学歴が手に入る

学歴によるメリットは3つ「初任給が高い」「生涯年収が高い」「転職がしやすい」です。

これは、「転職のデメリット」で具体的な数字を出したので割愛します。もちろん、個人の考え方や時代の流れ、業界によります。

しつこいようですが個人的にはあまり関係ないのかなとも思います。

近い将来、学歴コンプレックスを感じる可能性のある人、研究職に就きたい人などは大学に行くべきだと思います。

大学に入って実感したのですが、「高専卒」はかなりステータスになります。「○○高校卒」や「○○大学卒」より仲間意識が強く圧倒的に人数が多いので、高専卒というだけでSNSで繋がれたりします。

何校でも受験可能

これはどちらかというと一般の高校生と比較したメリットになります。

編入学は、試験日が被らない限り何校でも受験することができます。加えて教科数がセンター試験より圧倒的に少ないです。(自分も国立を三校受験しました)

しかし、推薦は出願から合格発表の期間が他校と被ると受験ができません。基本的に6月〜7月に集中しているので1つまでしか受けられません。

ちなみに、東京大学は足切りがないので、受験はだれでも可能です。

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将来への投資

言うまでもないですが「自分の能力を高められる」「人脈が広がる」「将来を考える時間がある」「遊べる」など様々な利点があります。大学生活は、社会に出てしまったら経験することができません。

これについては編入を選択した身として精一杯、メリットを感じられるように精進していきたいと思います。(現在コロナでキャンパスライフは完全になくなりました)

現役大学生が感じたオンライン授業のデメリット 悪影響6つとその対処法

 

編入のデメリット

就職率が悪い

これも「就職のメリット」で述べたので割愛します。高専より求人倍率が高くなること今後一生ありません。

とは言っても、高専の求人倍率が異常なだけであまりデメリットではない気がします。

お金がかかる

これに関しては親と相談するしかありません。

しかし昨年、新制度が導入され大学院の奨学金の仕組みが大きく変わりました。高専の成績で給付型奨学金が貰えるかもしれません。

日本経済新聞の記事

2020年度の導入を目指している高等教育無償化では、「返済が不要な給付型奨学金」が拡充される。

給付奨学金で学業専念 20年度から拡充
2020年度の導入を目指している高等教育無償化では、「返済が不要な給付型奨学金」が拡充される。食費や住居・光熱費などをまかなう生活費を学生本人に支給するものだ。前回解説した「授業料の減免」の拡充と併せて、政府は学生が学業に専念できる環境づくりを整えるとしている。国の奨学金事業は、独立行政法人の日本学生支援機構(JASS...

政府としては「生涯賃金の格差の解消」と「低所得者の進学率向上」を目的とし「少子化対策の一環」としても位置づけています。

しかし、大学院になると話は変わります。

文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」に関するQ &A

4-9.その他、対象学生等の認定に関する要件について
Q67 大学院生は新制度の支援対象になりますか。
A67 大学院生は対象になりません。(大学院への進学は18歳人口の5.5%に留まっており、短期大学や2年制の専門学校を卒業した者では20歳以上で就労し、一定の稼得能力がある者がいることを踏まえれば、こうした者とのバランスを考える必要があること等の理由から、このような取扱いをしているものです。)

高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A):文部科学省

簡単に書くと、「大学院に行く年齢の人たちはみんな働いているので、大学院生にお金は出しません。研究なんかしてないで働きなさい」っていう話で、大学院は新制度の対象外になります。

 

ちなみに高専の専攻科は認定を受けている場合、新制度の対象になります。

Q73 大学や短大、高専の専攻科に続けて進学した場合は、支援の対象になるのでしょうか。
A73 短大や高専の専攻科については、(独)大学改革支援・学位授与機構(以下、「学位授与機構」という。)の認定を受けている場合、支援の対象となります。
  なお、大学の専攻科及び学位授与機構の認定を受けていない短大・高専の専攻科については、設置基準等もなく、運営は各大学等の裁量に委ねられていることから、支援の対象となりません。(ただし、貸与型奨学金については利用できます。)

高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A):文部科学省

 

専攻科のメリット

レベルの高い大学院に行ける

先輩の話曰く、編入試験より大学院入試の方が難易度は低いそうです。理由は、編入に比べメジャーで対策が立てやすいのと、専攻科は時間があるからです。

実際に自分の学校の専攻科生の受験結果を見てみると旧帝大や筑波、東工大、農工大などレベルの高い大学名が多く見られます。

今、現時点で勉強に自信がないのならとりあえず専攻科に入り、2年後を見据えて勉強するのもありだと思います。

ちなみに、自分の学校の専攻科の推薦の基準は、「順位が学科の50%以内」推薦の人は全員合格していました。推薦はかなり楽な印象を受けました。

しかし、専攻科の一般入試は、主にレベルの高い学校(旧帝大、筑波大、東工大、農工大など)を受験する人の滑り止めという印象で、意外にも落ちる人がたくさんいました。自分の高専の受験者の数は推薦3:一般7といった感じだったと思います。

学歴が手に入る

高専卒=短大卒になるのに対し、専攻科卒=大学卒の扱いになります。また求人倍率も当然、一般の大学生よりも高いです。学歴と求人倍率、就職と編入のいいところ両取りができます。

専攻科のデメリット

マンネリ化

周知の通り高専は5年生で専攻科に行くとさらに2年間、計7年間同じ学校にいることになります。

新たな人脈や環境と出会うことがないため、「やりたいことを見つける、将来を考える時間が欲しい」という理由なら専攻科に行っても考えが広がらないように感じます。

また、「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」なんて言葉もあるくらいですから、良質な偏見を数多くコレクションしたいなら、他の高専の専攻科や大学に行った方が刺激があっていいのではないかと自分は思います。

新たな環境に飛び込むのが苦手な人は専攻科がいいと思います。

教育のレベルが低い

もちろん各高専によって様々ですので一概には言えませんが、高専は大学と比べるとやはり教育のレベルとしては低いと聞きます。

ちなみに僕の学科の専攻科は、学校が定めた基準をクリアした先生が4人しかいなかったため受験者は0でした。(外部に委託していた単位認定を専攻科内で行うためにいくつかの基準があるそうです)

まとめ

自分は、進路を考えるのが遅く4年の冬休みにそれぞれのメリット・デメリットを書き出し自分の価値観を探るという作業をずっとしていました。

就職か進学か悩んでいる人は友達と話したり、「高専生就活セミナー」とかに行ってみるのもいいと思います。

この記事は先輩は友達へのインタビューをもとに構成されていますが、主観も多く含んでいます。あくまでも僕の考えですが、すこしでもお役に立てればと思います。

早めに進路決めることをお勧めします。

その他にもメリットデメリットあればコメントください。

コメント

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